タイトル『旅』
自分のために
相手のために
世界のために
命がけの旅
旅
トクサネシティの昼はとても暖かく過しやすい。
それでか、どの町よりも子どもが元気よく外を駆け出している。
風も心地よく髪を靡かせて、絶好の運動日和といえよう。
「・・、聞いてる?」
「あっ!うんうん」
あまりにも風が心地よかったため、ダイゴの『本題』も忘れて空想に浸りそうになっていた。
最近空想が多くて正直心配である。
慌てながら話を聞く体制を整えているを見ながら、ダイゴは少し呆れ顔をする。
「今まで僕が言った事覚えてる?」
「大丈夫よ」
ダイゴの言っていることはこうだ。
最近、ホウエン地方を中心に急激な気温変化している。
そのせいもあってか野生のポケモン生態系や、量が著しく変化をしているらしい。
つまり食物連鎖が崩れている、ということだ。
そしてその環境変化の崩れが始まる直前に、怪しい軍団が目撃されているということ。
は『怪しい軍団がいる』ということしか知らされずにここまできたのだ。
それだけの情報で来たのは、自分の過去の軍団と知らず知らずのうちに、照らし合わせているからかもしれない。
「それで、だ」
ダイゴの顔がさっきよりさらに真剣な顔になる。
その瞬間先ほどまで部屋に入り込んできていた風が、逃げるように入ってこなくなる。
とても張り詰めた空気の間にダイゴが決断したかのように顔を上げた。
「その軍団と環境の崩れは、なんらかのかかわりが絶対と言っていいだろう。
だから、それを早く阻止するために・・」
「戦う、と」
ダイゴは少し驚きながらも「そうだ」とつぶやいた。
「呼ばれたときから大体予想はついていた。
・・もし、私が戦わないといったらダイゴはどうする気なの?」
は少し挑戦的、しかし心配そうな顔をしながらダイゴに問いかける。
元々『行く』というつもりだったが、ダイゴに聞いておきたかったのだ。
もしも自分がいなかったら・・と。
二人はしばらく見詰め合ったまま静止し、が目を逸らすとにこやかに笑った。
「その時は僕一人で行くよ」
その笑いを見てため息をつきながらはダイゴを見た。
「あいからわず無茶苦茶ね。行くわ。あなただけでは心配よ」
は苦笑しながら、ダイゴの差し出した手を握った。
するとその手から感じるのは大きくて、たくましい手だった。
昔は同じくらいだったのにと時の流れに大変驚かされた。
そしてダイゴはもう昔のダイゴではないのだなとつくづく感じさせられた。
「行こう。早い方がいい」
「ええ」
ダイゴとは席を立ち、早々と家を出た。
これから長い、そして過酷な旅になるだろうというのにダイゴと握手したときに恐ろしさが飛んでいってしまったのだ。
逆に離れ離れだった幼馴染とまたしばらく一緒にいられるのが嬉しくてたまらなかった。
「出番だ、エアームド」
「お願い、ボーマンダ」
二つの影が宙に舞い上がった。
☆☆☆☆★☆
反省会。
ドリームでないですね。
甘くないですね。
でもこれから甘くしたいと思います。
そしてダイゴ夢中心の逆ハーレムにしたいと思います。
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