タイトル『旅』















旅には出会いと別れ

           仲間と道を阻む者がいる

                        そして意思と犠牲を伴う




  旅 2









トクサネシティ独特の優しい潮風と心地よい海の香りがを歓迎した。
この町は一面海に囲まれたのどかな小島で、さらにロケットの開発もしているからか世族の言う休日には、癒しや見物を求めて観光客が後をたたない場所である。
さらにチャンピオンを目指すトレーナーは一度は必ず通らなければならないポケモンジムがあるのも、住民が少ない割には人数が減らない理由にも入っているであろう。

それにしてもさすがにこんな真夜中、住宅どころかポケモンジムや宇宙センターまでもが明かりが消えている。
ついているといえばダイゴの家だけである。
そこから出る明かり以外には本当に何もなく、静かに海が音をたてているだけだ。
寝ている住民に迷惑をかけないよう、足音をたてないようにゆっくり彼の家に進んでく。
泥棒もこんな気分でするのだろうかと思うと自分の行動が少し恥ずかしく感じた。

本当に起きているのだろうか?もしも石でも磨きながら寝ていたらどうしよう?
チャイムに指があたるかあたらないかの所で考え込んでいると、目の前にあるドアがいきなり開いた。

「えっ!」

驚きのあまりそのまま尻餅をつきそうになったが、どうにか体制を立て直してドアを開けた主を見上げた。

「・・、君は何をしていたんだ・・?」

小さな声ですこしあきれ口調でしゃべる人物。
あたりまえだが、ピンピンと元気なダイゴだった。

「・・あ、ああ、ごめん。」

呆れ顔というか引きつっているかというか・・そんな顔でを見て『とにかく家に入って』と手招きした。
は手招きされたとおり少し不満顔でダイゴの家にあがった。
家の中はあいからわず生活に最低限必要なものと、コレクションの石だけだった。
いつも石を探しに行くために、ガラスケースが部屋の端に何個も並んでいる。
こんなにも多いのにこれでも一部というのが驚きだ。
しかし、いつも部屋はきれいに片付いていて家庭的だなと関心させられる。

「今お茶出すから、椅子に座って待っていてくれる?」

ダイゴも近所を気にしているのだろう。小さな声でそう指示した。
まあ、近所に物を配り歩く様子からご近所付き合いを大事にしているのがよく分かるけれど。
は本当に家庭的で社交的だな、と椅子に腰をかけながらお茶を入れるダイゴを乱視のまま見ていた。

お茶を入れた湯呑みをの前において、ダイゴはの真正面にある椅子に腰掛けた。

「・・んで、さっき何してたの?」

さっき。 玄関前のの行動のことを言っているらしい。
は内心あとあと思うと、とても恥ずかしいことをしたと感じたのであまりいいたくはなかったが、妙に深刻な声で語りかけてくるダイゴに負けて事情を話した。
当のダイゴはその話聞くや否や、声に出さず腹を押さえて笑った。

「せっかく人が心配して考えていたのに、なんだその態度は・・。というか、・・何故私が玄関で立ち止まっているのがわかったの?」

「いや・・だってそんなことで考えて立ち止まっているなんて・・!本当はがボーマンダでここについたのは知っていたんだ。
けど、どんな様子でここにくるかカーテン越しで待っていたんだ」

の少し怒りの混じった声に腹を押さえるのをやめたダイゴは少し笑いを交えてしゃべった。
ダイゴは玄関で固まったままチャイムに手を伸ばすを影で見たらしい。それなのに黙って様子を見ていたダイゴに正直、不信感を覚えた。

「・・そんなことより、なんでここに私を呼んだのよ?」

ダイゴがずっと自分の失敗について笑っていたのでいい加減恥ずかしくなっって、とっさに本題を持ち出した。
するとダイゴはそれを聞くといきなり真剣な顔に変わった。本当にけじめのついている人だと思う。

「それはも知っているように・・僕が君のことを好きだからだよ」

「!」

まじめな顔のまんま普通に言い切ったダイゴには顔を真っ赤にさせてそっぽを向いた。
目だけをダイゴに向けてみると彼は無言で笑っていた。けじめのついている人思ったのは取り消しをした。
人が顔を赤くしてそっぽを向いたまま見ているのを知って、さらに無言のまま笑い出した。

「冗談はもうこのくらいにして本題に入りなさいよ!」

彼女にしては大きな声で、しかし家の中にいるものにしか聞こえない小さな声で反論した。
ダイゴとは小さいころからの知り合い、つまり年の離れた幼馴染であり本当の兄妹のようだと近所のおばさんやおじさんに言われていた。
そのときから彼はに今のようなことを言って困らせていたので、その名残だと解釈をしたが、やはりこの年頃だと恥ずかしくてしかたがなくて反論してしまった。
そんな微妙な心境の中ダイゴと顔をあわせないようにしてるを真剣な目で見つめて、そしてすぐにやんわりとした優しい表情に変わった。

「分かった、分かった。冗談を言ったつもりはないんだけどね、そろそろ本題に移ろうか」

「・・・。」

はまたその手かと聞き流して、本題に耳を傾ける体制に出た。しかし、ダイゴにとっては、あたりまえ聞き流してほしくなく少し困った顔をしながら時計を見て驚きながら一言。

「もうこんな時間だ。今日はここに留まっていって。明日話すから」

ポケモンたちも会いたがっているだろうし。と付け加えをしてソファーに布団をひく準備をしだした。

「はぁ?」

はいきなりのことの進みの速さに変な声をあげた。
それにダイゴは反応して、少しかっこつけたような声でソファーに布団をかけた。

「ソファーじゃないと寝る場所ないし・・なんなら僕と同じベットで寝るかい?」

「逝きなさい」

即答。

もういい加減呆れたのと、睡魔のせいか短く、そしてキツイ単語をお見舞いして、準備のできたソファーに寝た。そしてその直前に睡魔に襲われて寝てしまった。
ダイゴはの寝顔を覗き込んで「寝ているときだけは昔とかわらないね」と優しく笑い、の頭を優しくなでた。
そしてわけも分からず少し苦笑いをしながら部屋の電気を消して、ベットに静かに横になって、昔のときのように優しく、

「おやすみ、

とつぶやいた。






☆☆☆☆★☆

反省会。
あま、いね。
なんだこれは・・。本当に自分が書いたのだろうか・・。
激しくさんにアピールしてるよ、ダイゴ・・。














Created by DreamEditor


アクセス解析 SEO/SEO対策