タイトル『始まり』




誰もがみな旅人で
  
          今日も闇雲に
           
                   歩いていく







  旅





漆黒の空に、にぎやかな町。
そして海塩の混じった風。
『活気のある町』をイメージさせるカイナシティ。
そこに最後の便であろうか。暗闇にも負けずに船が到着した。
今日は世族の言う『休日』だからだろうか。
船からは子連れの親子が目立ち、とても楽しそうな会話が聞こえてくる。
そんな中から連れも無しに少女が船から下りてきた。

潮風に吹かれ帽子から伸びている漆黒の髪が揺れている。
少女は町の中心部に行く他の船客の波に逆らって海のほうに出た。


「・・あいからわず元気な町と、綺麗な海ね」


見た目だけ。本当は少しずつ闇は迫ってきているけれど。
そうつぶやきながら、海に手をいれ触ろうとしようとした。

ピーピー ピーピー

すると彼女のポケナビが鳴り出し、体を起こしてポケナビを手に取った。


「はい」

「やあ、

受話器ごしから聞こえる声の持ち主は、のよく知った人間でもあり、連絡待ちしていた人間でもあった。


「・・ダイゴ」


ダイゴはに呼ばれるとポケナビの画面越しから優しく笑った。
この人間こそがここから遠くのカントー地方のシオンタウンというところからを呼び寄せた張本人である。
はそのシオンタウンというところで、静かに精神的ないわゆる修行にとり組んでいたのである。


「もうカイナシティについているね?早速だけど僕の家に来てくれる?」


そこで本題を言わせてもらうから。とあいからわずにこやかに言った。


「何故今すぐ?」

はよほど船で疲れたのだろう。
少しだるそうな声で言った。
その声を聞いてダイゴは苦笑すると、流し目でつぶやいた。

「本題は早ければ早いほどいいからね。それに早く君の顔を生で見たいからね」


「前者の用件のみを片付けに今からそっちに行くわ」


プチッ

即答し、俊足で対話の線を切る様子はとても冷たいという印象が残る。
が、彼女の頬は少し赤く染まっていた。


「・・お願い、ボーマンダ」

腰のベルトにつけていたモンスターボールを取り出し、『ボーマンダ』をだした。
ボーマンダは外に出られたことが嬉しいのか、元気に鳴いた。
このポケモンは起こると手がつけられないという、とてもやっかいな体質を持っているが、とてもになついているらしくとてもおとなしい。
はボーマンダを優しくなでると、少女が乗りやすいようにと体を下げた。
少女はストンと乗るとトレーナーの目つきに変わった。


「ありがとう、ボーマンダ。
 ここはホウエン地方のカイナシティよ。ここからトクサネシティまでお願い。」


ボーマンダは嬉しそうに返事をすると、元気よく飛び立った。





久しぶりに来た自分の故郷だからだろうか。それとも友達に会えるからだろうか。
ボーマンダはいつもよりも早いスピードで空を飛んでいる。
そのせいか、少し肌寒く感じるが、元々早く飛び回るボーマンダに『ゆっくり飛んで』などというのは、あまりにもかわいそうなのでそのままにしておいた。

上空から下を覗いてみるとあいからわず強い荒波や、キナギタウンが見えた。
あいからわず海にポツンと浮かんでいて見るだけでも、いつか沈みそうで冷や冷やさせられる。
そんなキナギシティもボーマンダのスピードのせいですぐに見えなくなってしまった。
それよりもさっきよりスピードが速くなっているのは気のせいだろうか。
カイナシティから目的地、トクサネシティまではかなりの距離があるというのに、そんなことをお構い無しでもう見えてしまう状態だ。
まあ、遅いよりはいいか。とは一人苦笑した。





「ボーマンダ、ありがとう」


そういってボーマンダをボールに戻し、腰のベルトにつけなおした。







☆☆☆☆★☆

反省会。
まず1つ・・
間違えて第一弾消してしまいました。
なので書き直しました。
本当に初心者です;







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