タイトル『ホカゲは変態だと思う。』












「お前、マグマ団に入らねぇーか?」





そう誘われたのは結構前の話である。





「嫌」




当然断ったのだがそれがいけなかったのかもしれない。
























逃追












カーテンの間から光が入る。窓外からは鳥の声、朝早くから頑張るトレーナーの声が聞こえる。
今日も晴天さあ今日はどこに隠れようか?
結構前マグマ団に入れと誘われたとき、私は断った。
その日からか私はマグマ団に追われる身となった。マグマ団というかマグマ団の一人というのが正確なのだが。
なので朝食を手早く取って外出し逃走するのが日課となっている。
もし自宅をしられたら危険だからなのもある。


私は朝に強いので眼が覚めたらすぐに起きれるのだが今日は違った。



(体が重い・・)



よりによって風邪でもこじらしたのだろうか?
眼を開けるのさえツライ。
昨夜も家に帰ろうとしたときにマグマ団にあって寒い風に吹かれながら長々バトルで追い払ったからか、それともマグマ団からのストレスか?
どちらとも原因のひとつなのだろう、本当に迷惑な奴である。
最近ではストーカーのような状態になっている気がしてたまらない。
近々ジョウトにいるハヤトにでも相談しようか。


本当に体が重くて起きれない。
しかし今起きなければここが奴に見つかってしまう。
意を消して眼だけ開けてみることにした。





















「はいぃぃ!?」















朝っぱらからとんでもないものを見てしまった。
こんなにも現実逃避したくなったときなどない。本当にどう表現したらいいのだろうか。










「やっと起きたか。人がわざわざ来てやったというのに」










先生、我家に朝っぱらから侵入者です。
それどころか奴と私の状態がおかしい。
眠気がふっとんだといえ、まだ起きたばかりで脳があまりうまく動いてくれない。
少しの間『不法侵入者』を無視して目を瞑る。








そして眼を開けると視界に奴が埋め尽くされていました。
分かりやすく言うと奴が私の顔に顔を近づけているということ。



「顔をどけろホカゲ!不法侵入!!」



「お前熱あるだろ。」




あっさりの言葉を避してそう呟きながら顔をあげた。
ホカゲは釣眼でを見下ろすように眺めてくる。
その様子で寝ぼけていたはとても重要であり、身の危険を感じさせるようなことに気づいた。
それはベットの上で寝ていたにかぶさるように、ホカゲがいること。




つまり押し倒されているのと同じ状態。





ストーカーホカゲから逃げ場ゼロのことに気づき焦りながらも抵抗を試みてみるが、流石男女関係びくともしない。
その様子をどう思っているのか、何もせず無言のまま見下ろしてくるホカゲを見ているとどうでも良くなってきたのだった。
この状況のままどうでも良くなってきたというのは、恐らく疲れからきた風邪のせいだろう。




「なあ。マグマ団に入らないと襲うぞ?」






「五月蝿い、変態。」





しんっと静まりかえった部屋にギクシャクした会話が飛ぶ。
変態的な言葉を堂々と言ってのけるホカゲに負けず、も普通なら戸惑うと思われる言葉も風邪のおかげでサラリと振れるようになっていた。
痛冷たい反論をしながらは釣眼で見下ろしてくるホカゲを睨み呟く。





「熱があると分かってんだったらたったと撤収する。私は休みたい。」





「だったら俺が看病してやるから家に残る。」





「・・ホカゲ、よくも私の家を見つけてくれたね。」





「こんなの朝飯前だ」








自慢するなと思いつつも風邪により体力を無くして反論する気がなくなり、はそのまま気を失うように眠ってしまった。
寝る前はホカゲの前で寝顔なんか見せない、寝たら何が起こるかわからない、などと思っていたがあっさりホカゲの前で無防備に寝てしまった。
さっき『襲う』などという発言をした男に押し倒されるような状態にされながらも寝てられるというのは、どうぞお好きにしてくださいといっているようなものだった。
それは風邪からの行動か、それとも自分が言うほどホカゲが嫌いではないということか。
どちらにしろ大胆すぎる行動には変わりない。


























そして眼が覚めたのは自分でも驚いてしまう時間であった。
なんと朝早くから寝て、今は良い子は寝ましょうな時間になっていたのである。
まず眼に飛び込んできたのが凄い時を示した時計だったのでとても焦ったがベットから出る気力は湧かない。
とりあえず座ろうと思いダラダラと体を動かそうとすると腰に違和感を感じた。
しかもそれのせいだろう、体が動かないのだ。
その違和感に警戒しながら恐る恐る後ろを振り返るとマグマ団の制服、黒がかったフードが見えた。
そしてこの瞬間朝のことを思い出し、そして頭がショートした。
ついでに違和感がある自分の腰を見ると、やはりホカゲの腕がぎっしりと回っている。
私が眼を覚ましたら逃げるということはお見通しということなのだろうか。



またもや逃げ場ゼロ。




とりあえず何もすることがないので体ごと反対向きにしホカゲの寝顔を眺めることにした。



(こいつまつ毛長いな・・)



いままで敵だストーカーだとしか見ていなかったので、容姿はぱっとしか見ていなかったので気づかなかった。
そのまま寝顔を眺めていると一つ気になる疑問が浮上してきた。
それを考えながら多分マグマ団の中でも見た人間はいないんだろうな、と思いつつ唯一自由な手を伸ばした。


彼の金髪に隠れた片方の目を見るために。



普通は寝たまま抱きしめられているこの状態に緊張するだろうに、は彼の片目を見ることに緊張して手が振るえ間近くにいる彼の綺麗な髪になかなか手が出せない。
だけどここで食い下がったら立派なトレーナーにはなれないぞ、!と心に呼びかけぐいっと手を伸ばすとぐいっと何かに腕を押さえつけられた。

腕が押さえつけられているのはさっきまでの腰に回されていた筈の片手だった。
恐怖に口元を歪ませながらホカゲの顔を見るとぱっちり眼が開いていた。
恐らくこう行動を取るということもお見通しで、寝たふりをしていたのだろう。
元々眼つきの悪いホカゲがさらに鋭くなって、とても恐ろしい。
今回は冗談抜きで何が起こるかわからない。一大事である。



「やっぱり物好きなお前はそうすると思った。」



そう呆れてため息をついても恐ろしくてしょうがない。
がここで弱みを見せたらホカゲの思う壺だと思い強気に挑発してみることにした。




「ホカゲ、あんたいい加減帰れよ。
 なんでマグマ団が私を欲しがってるかは知らないけれど
 私は絶対はいらないから来たって無駄だって。」




不敵な笑い、自分はそうしたつもりだったのだが多分苦笑か失笑になっているだろう。
恐らく今のは逆効果になっているんだろうなと反省する。




「お前熱下がってるな。
 なら今度は本当に入団しないと襲う。」




やばい。
今回は本当にやばい。
の両腕はホカゲの片手で押し付けられて、腰はさっきと変わらず片手で捕獲されている状態。
当たり前だがボールは持っていないし、抵抗すれば不発に終わるだろうし恐らく拒否したということで本気で襲われるだろう。
今のホカゲの眼はかなり本気だ。
自慢したくないが長い間伊達に追い回されていたわけではない。
が助かる方法はひとつ、マグマ団に入団すること。


はっきりいってマグマ団に好感を持っていない。
それに集団行動が嫌いで嫌いでしょうがないのだ。
しかし入るしか手がない。




「ひとつ聞くけど、マグマ団に入っていていいことあった?」





「・・まあ、あったな」






曖昧な答え、しかし睨みを効かせた視線は変わりなかった。





「また聞くけど私を入団させたらホカゲは何か利益でもあるの?」




「あるといったらある」






さらに曖昧。
それにこれ以上長引かせるとホカゲの堪忍袋の尾が切れそうだ。
手に力がこもってとても痛いのだ。
男だからとはいえこんな細い腕のどこにこんな力があるというのだろうか。
これ以上長引かせても結論は一緒だ、とため息をつきはずっと睨みつけてくるホカゲの眼を見つめた。




「入団する。
 これで文句ないでしょ。帰って。」




「フーン。
 ホムラがいっていた方法は本当に効くのだな・・。
 よし。今日からお前は俺が上司だ。言うこと聞かないと襲うからな。」





ホカゲは睨むのを止め押さえつけていた腕を放した。しかし腰は開放してくれない。セクハラ上司である。
この『襲う』というのは同僚のホムラというやつからの提案らしいが、普通にこれを使う時点で変態だとさっきまでの気が抜ける。
先ほどまでストーカーだった奴の手下というのは気に食わないが自分の身を守るため。
すぐにこっそり抜けてやる。
そう頭でこれからの作戦を構造しているとホカゲがの頭をバシッと叩く。




「人の話を聞け!
 お前はまた逃走しそうだからな、俺はここに住むぞ。」





「ハァ!?
 ちょっと待て。人のプライベートまで奪うな。」





「このベットは小さいお前には大きすぎるだろ。
 それに俺に逆らったらどうなるかわかってるのか。」





『一緒に寝る気なのかよ、セクハラ上司めが!!』といいたい所なのだが仕打ちが怖いので伏せておとなしく従うことにした。
これからもこのお決まりの言葉で縛られるんだろうと思うと体がだるくなった。
そんな私を尻目にホカゲ自身は表情は別に変わりはないが何となく楽しんでいるようだった。





「明日から出るぞ。
 寝坊何ぞしたら・・・」




「もう分かったから腰の腕を除けろ。
 休ませろ。」





訴えを棒読みしホカゲに背を向けそのまま眼を瞑った。
そう吐き捨てても腰の手を除けようとはしなかった。
それどころか先ほどまでの両腕を押さえつけていた片腕までまたの腰に強引に回した。
さようなら、私の自由。
私の自由は今を持ってこの『鬼畜セクハラ上司』により奪われました。














☆☆☆☆★☆

ビバ・初ホカゲ夢。
とりあえずホカゲ好きです。
そしてホカゲは変態だと思います。(氏
なんか隠れ鬼畜セクハラで、特定の人だけにやってそうです。
ホカゲ夢は大体こんな強引変態ノリで行きそうです;


ドリーム内でホカゲが『マグマに入って得した』というのはさんに会ったから。
そして『をマグマ団に入れたら自分に利益がある』と言ったのは大好きなさんの上司になれるからですよ。
風邪で弱っているときに本気で手を出さなかったのは、ホカゲの小さな優しさですぜ。
さんを手放さないのは他の奴に取られないようにですぜ。


こんな感じに解釈を色々して見てくださいな。
しっかし説明しないと分かりませんね;



てか『ホカゲ』ってただ別名だよね?
ただ皆がそう呼ぶようになったっていっただけだよね?
本名言ってないよね?





















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